みなさまこんにちは。Webデザイナーの衣笠です。
今回は前回に引き続き、EC-CUBE DAY2019イベントレポートの(後編)
をお送りいたします。
(イベントレポート前編はこちら)
EC-CUBE DAY2019イベントレポート(後編)
<目次>
「消費体験」の変化
何か欲しいものを探すとき、いくつかの商品を比較して選ぶとき、みなさんはどうしていますか?
「ものを買う」という体験ひとつとっても、きっと人それぞれですよね。
お店に置いてあるものから直感的に選ぶ人もいれば、事前に調べて、購入するものを決めてから買う人もいます。
「ものの選び方」というと、その人の性格による影響が大きいような気がしますが、メディアとの関係も深いように思えます。
WebやSNSが普及したことで、ものを選び買うという、私たちの「消費体験」も、知らず知らずのうちに様々な影響を受けているようです。
・物の消費から、物語の参加へ〜noteが考えるこれからの消費体験〜
株式会社ピースオブケイクの最所 あさみさんは、noteのプロデューサーを務めるほか、コミュニティマネジメントやイベントプロデュースなどに関わるお仕事をされています。
今回の講座では、「物の消費から、物語の参加へ」というテーマでお話をしていただきました。
マスメディアの時代から消費者が語る時代へ
今から一昔前の、WebやSNSが登場する以前は、マスメディアこそが影響力の時代でした。
企業はメディアを通して、自分たちのブランドの素晴らしさや理想を顧客に語りかけることで、商品の購買に繋げていました。
そこへWebやSNSが登場し、企業が顧客に直接メッセージを語りかけることが可能になると、企業は自社の商品に対するストーリー(どのような想いで作ったか、誰がどんなこだわりで作ったか)を語るようになったと言います。
そして現在では、一般の消費者がWebやSNSを使うようになりました。
今度は消費者が語る時代です(口コミの時代)。
これからの企業にとって大事なことは、
「いかに顧客に語らせるか」だと、最所さんは言います。
メディアがマスメディアだけに限らず、個人が発信できるようになったことは、大きな変化でした。各々が情報を発するようになり、世の中全体の情報量が増えたことで、相対的にマスメディアのパワーは弱まっていきました。
口コミの力は偉大
顧客の本音である「口コミ」には大きな力があります。
その口コミも、WebやSNSのない時代では、拡散力に限りがありました。
近所の人や友人など、自分が現実に属するコミニュティを通して、伝わるものでしかありませんでした。
しかしWebの時代になったことで、顔も知らない誰かの口コミを全ての人が見られるようになり、ネットを通して拡散もできるようになりました。
そのように口コミが大きな力を持つ時代になったからこそ、これから企業にとって大事になるのは「いかに顧客に語ってもらうか」ということだと言います。
noteの取り組み note×KIRIN「社会人一年目の私へ」
これからの時代に必要になのは、理想を見せることでもなく、ストーリーを伝えることでもない。
「顧客に語らせることが大事だ」ということは分かりましたが、「顧客に語らせる」とは具体的にどういうことなのか?
実際にnoteが企業とコラボした例があるので、ご紹介したいと思います。
note×KIRINテーマ「社会人一年目の私へ」
内容としては、「社会人一年目だった私へ今伝えたいこと」や、「社会人一年目の頃の自分のエピソード」などを募集し、発表するというものでした。
「社会人一年目」という多くの人が何かしらのエピソードを持っているであろうテーマを設定する。
自ら語りたくなるテーマを置くことで、多くの投稿を集め、企画を盛り上げる。
企画が盛り上がることで、その企画を実施した企業への注目度も上がる。
「社会人一年目の私へ」というテーマに寄せられたnoteの投稿数は、3255件。
このテーマによって、多くの人の関心を集めたことが分かります。
大事なのはいかに顧客に語ってもらうか
そのためには、
- 顧客が言いたいことを代弁するコンテンツを作る
- 顧客が語りたくなるネタをつくる
- 語られたストーリーをまとめて編集する
(「社会人一年目の私へ」という企画では、投稿のなかから記事をピックアップし、KIRIN公式のnoteで紹介。優秀賞には、賞金や景品が贈られました。)
ことが必要になります。
noteが目指しているのは、発信できる場所ではない。
顧客といかにコミュニケーションを取れる場所になれるかを考えている、と最所さんは語ります。
まとめ「ワクワクするショッピングを体験つくる」
今回は前編と後編でイベントレポートをお送りしましたが、いかがでしたか?
普段何気なく使っているネットショッピングですが、その裏側を知ることができて面白かったです。
ネットショッピングって本当に便利です。
- 店舗に足を運ばなくても、商品が手に入る
- 家まで届けてくれるので、重い荷物を運ばずにすむ
- 店員さんとやりとりすることなく、商品を購入できる
その便利さから、私も日常的にネットショッピングを利用します。
もはや日常になくてはならないもので、そのメリットをたくさん受けていますが、デメリットをあげるとすると、
- ネットを介したお買い物体験は、対面販売などのリアルなお買い物体験に比べると印象に残りづらい
- 同じ商品を扱っているのであれば、どのショッピングサイトで購入しても同じ
という感覚があるように思います。
便利ではありますが、お買い物をするときのワクワク感はやっぱり、リアルなお買い物体験には及ばない。
ではECでのお買い物体験をより豊かにするには、どうすればいいのか?
「ECに色を」
そう語るのは、株式会社イーシーキューブの代表、金陽信さん。
ECでもお店に立ち寄って買い物をするように、それぞれの顔が見えるものにしたい。
多彩さを感じられるものにしたい。そう話されていました。
ECでは対面でのお買い物体験のように、直接的な人との関わりはありません。
でもネットだからこそできる表現方法やシステムを用いて、より豊かにブランドの世界観を伝えることもできる。
差別化を意識して、よりワクワクするショッピング体験つくる。
この先、ネットを介してどのようなお買い物体験ができるようになるのか?
EC業界がどのように変化していくのか?
今後のイーシーキューブさんの取り組みにも注目です。