はじめまして!2024年度 新卒の中村です!
今回は Amazon Connect を利用して24時間365日 自動受付が可能なコールセンターを開発したことについて紹介していきます。
背景
当社ではサーバー障害などが発生した際の緊急連絡先として、外部企業にコールセンターを委託していました。
しかし、年間を通して数件しか着信がないことから、サービス利用のコストを鑑みた結果、 Amazon Connect を活用した自動受付可能なコールセンターの開発を行いました。
Amazon Connect とは?
AWS が提供するクラウドベースのコンタクトセンターサービスです。
- 交換機や電話機が不要なため導入のハードルが低い
- コンタクトフロー(自動受付)をノーコードで作成できる
- 他の AWS サービスとの連携が容易
他にも特徴があります、詳細はこちらをご確認ください!
https://aws.amazon.com/jp/connect/features/ざっくりと要件
- 24時間365日 受付可能であること
- お客様の電話番号が取得可能であること
- お客様の会社名が取得可能であること
- 運用チームの架電リストを参照し上から順番に電話をかけること
- 運用チームが応答するまで電話をかけ続けること
即ち、 Amazon Connect で従来のコールセンターを代替していきます。
課題
開発を進めるにあたり、解決する必要がある課題が大量に見つかりました。
その中でも特に難しかった課題についてご紹介します。
お客様の会社名をどのように取得するか
緊急時には正確な情報を得ることが重要です。
音声入力から文字起こしを行うなどの方法がありましたが、文字起こしの精度は完全ではありません。
以上のことから、コンタクトフローでお客様にキーパッドでお客様番号を入力していただき、データベースからお客様情報を取得する方式を採用しました。
お客様が非通知で発信された場合
発信者番号は運用チームが折り返しの連絡をする際に必要な情報です。
Amazon Connect とはいえ、非通知の発信者番号を取得することはできません。
まずはじめに、コンタクトフローで発信者番号の判定を行い、非通知だった場合は再度おかけ直しいただくようご案内を行うことにしました。
運用チームが電話に出たが、電波などの都合で切断した場合
- 電話に出たが、通信状況が不安定で自動音声が聞き取れなかった。
- 電話に出たが、自動音声を聞く前にバッテリーが切れてしまった。
といったケースが発生した際に、 Amazon Connect で取得できるステータスでは「電話に出た」という判定になり、次の担当者に電話がかからない問題がありました。
そこで、本システム内で応答を「自動音声を聞き取ったことが確認できた時」と定義し、コンタクトフローで自動音声が流れた後に、運用チームの担当者がキーパッドで数字を入力することで応答を判定する方式を採用しました。
構成図
- お客様から Amazon Connect のコールセンターに緊急の電話が来る。
- お客様番号を基にお客様情報を取り出す。
- 運用チームに電話をかけ続ける Step Functions を呼び出す。
- Amazon Connect からの電話に運用チームが応答する。
以上が大まかな流れとなります。
まとめ
今回は、Amazon Connect で 24時間 365日 自動受付可能なコールセンターを作ったことについてご紹介しました。
開発を通じてたくさんAWSのサービスに触れましたが、思いついた事をすぐに検証できるAWSのスピード感を実感しました。
開発したコールセンターにお客様が電話するような事が起こらない事を祈ります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。