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AWS Summit Japan参加レポート:イオンフィナンシャルサービス株式会社のセッション

2024/06/21

こんにちは、シーズ代表の西垣です。

昨日今日と開催されている、日本最大の "AWS を学ぶイベント"「AWS Summit Japan」に参加しているので、そのレポートをお送りしたいと思います。

今年は基調講演を始め「生成AI」の話題が多く占めていましたが、私はあえて泥臭い基幹システムやレガシー・エンタープライズ系を中心に「ユーザー企業がAWSをどのように見ていて、活用しているのか」をテーマにセッションを聞いてきました。

生成AIや技術のレポートについては、シーズクリエーターズブログをチェックしてみてください。

https://www.seeds-std.co.jp/blog/creators/

イオンフィナンシャルサービス株式会社のセッション

1日目はイオン、ファミマ、SBI証券など、主に個人向けサービスを提供されている企業たちが、IT基盤のクラウド移行が完了した中でどのような活用をされているか、見えてきた課題はなにか、今後の展開について聞いてきました。

特に、イオンフィナンシャルサービス株式会社のセッションでは共感できる話しがたくさんありましたので一部紹介したいと思います。

お題「イオン生活圏を支えるシステム基盤と決済を担う当社の取り組み」

イオングループの基本情報

1従業員60万人 店舗17,887箇所
2営業収益 9兆5535億
3子会社 300社以上
4WAONPOINT 9,000万
5イオンカード 5,000万
6AEON Pay 5,000万
76,000万人のお客様が何かしらの決済を利用している。
8100のシステム、1,000超のサーバーを所有
9会員情報 6,000万
10年間投資額 200億

移行計画

2017年までは従来のオンプレで各システムをベンダー丸投げでやっていた。 2018-2021年にオンプレ統合基盤を整備したことでカルチャーが生まれ出した。 2023年にクラウド移行運用を開始。

移行が完了してみて

クラウド移行は2022年からやりたいと考えていたが、保守的な議論で1年間動けなかった。 課題は承知の上で、大きな未来を見据えて決断した。

6,000万人が使うサービス基盤なので、多くの慎重な意見があったと推測します。その中で移行を決断し推進されたことに大変なご苦労があったと思いました。

ベンダー価格競争力を創出

AWSを中核としてクラウド基盤を整備している。 Azureやgoogle cloud platform(GCP)も使っている。(発表資料では消されたがw) イオン統合基盤の中にAWSやその他のクラウドサービスがあるという位置付け。 常に良いものを選ぶためにAWSや富士通などベンダーも毎年変えている。 ごちゃまぜになっても特に問題ないと考えている。この姿勢でやっていく方針。

今回AWSサミットなのでAWSをメインに発表となりましたが、実際は他のクラウドの良いところもきちんと比較して最善のものを選んでいるそうです。

我々ベンダー側からすると毎年コンペがあるのは大変そうですが、ベンダーロックから開放されることと、そのとき1番良いものを選べるというメリットは大きそうです。

また、クラウドシフト完了後の課題についても紹介されていました。

クラウドシフト後の課題

  • コスト削減はできない
オンプレのようにイニシャルはかからないが、5年間でみたときほぼほぼトントンになる。
  • Oracle問題
オンプレ時代からOracleでやっていたが、クラウドとOracleは相性が良くない。 Oracle側がクラウドをサポート対象外にしている。 ベンダーに相談すると、Oracleでやるならインフラも見直してくださいと言われ、結果たらい回しになる。 ただ最近は雪解けしてきた印象とのこと。
  • メンテナンスによる停止
AWS側がメンテンナス計画を決めている。 特にアメリカ時間で行われると日本のお買い物ピーク時間と被り問題になることがある。
  • オートスケール問題
急すぎると間に合わない。 AWSからはそういうときは事前に広げておいてくださいと言われるが、それだとオートちゃうやん!という問題。

まとめ

セッションを通じて、1番印象的で強く共感できたのは

「チャレンジをやめたくないと思っている」

という一言でした。

変革を実現するためには、保守派を説得し、新しいことにチャレンジし続ける並大抵でない意思と努力が必要です。ITやDX化を促進する立場として見習っていきたいと思いました。